コミュニケーション研修を行なったら、社内のコミュニケーションが悪くなった!?

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    「コミュニケーション研修を行なったら、
     以前よりも社内のコミュニケーションが悪くなってしまって・・・」

    「社員をコミュニケーション研修に出席させたら、
     逆にギスギスするようになって困っています」


    最近、このような相談が少なくありません。


    先日もある製造業の役員の方から、こんなご相談を頂きました。

    「社内のコミュニケーションの向上のために、
     講師をお呼びして2日間のコミュニケーション研修を行ないました。

     コミュニケーションの基礎知識とロールプレイングを中心にした内容で、
     実施後の出席者の振り返りでは非常によい評価でした。

     実際に実施後は、以前に比べコミュニケーションは良くなったように感じました。

     ところが、1ヶ月も経たないころから、だんだん不満が出るようになり、
     初めは、発言しやすい環境になり、問題意識の表れと思い、
     それらの不満を聞き、できるだけ対策を取る方向で取組むことを支援してきました。

     しかし、それらの不満は次第に個人的なコミュニケーションの問題になってきて、
     結果的に以前よりも組織全体のコミュニケーションが悪くなったように感じています。

     研修を実施していただいた会社に相談しましたが、
     追加の研修を提案されました。

     内容的にはもっともな内容でしたが、何が問題なのかが見えてこず、
     大変失礼ながら、他社にも相談してみようと思い、ご連絡した次第です」



    コミュニケーション研修を行い、
    コミュニケーションが悪くなる典型です。



    多くのコミュニケーション研修では、

    まず初めに、コミュニケーションの基礎と呼ばれる“理屈”を伝えます。


    問題点や心構え、ポイントなどを交えながら、
    傾聴の大切さや応答技法、話すときの態度や言葉使い、テンポなど、
    どうすればより良いコミュニケーションが取れるかと言う内容です。

    どれらの内容は、誰が聞いても納得でき、
    自分に足りない部分を気づくキッカケにもなります。

    研修を受けた方は
    「あ〜こうすれば上手くコミュニケーションが取れるよな〜」
    と納得することでしょう。

    この部分で、研修内容に大きな差が出ることはほとんどありません。

    良いコミュニケーションを取るための理屈はほぼ確立されています。

    通常の半日や一日の研修では、この基礎要素部分で終る場合も珍しくはありませんが、
    受講した方にはそれなりの気づきが生まれるはずです。


    しかし、分かったのと出来るのは全く違います。

    そこで、多くの場合、ロールプレイングやワークと称して、
    習った理屈を実際に受講者が実践するカリキュラムが組まれています。

    実はここで差が出てきます。

    ロールプレイングやワークを何のために行なうのかと言うことです。

    コミュニケーション研修において、ロールプレイングやワークを行なうのは、
    習った理屈を実践して習得するためのものではありません。

    ここでの目的は、「理屈が分かっても、実践するのは簡単ではない!!」
    と言うことを分かってもらうことです。


    第一の落とし穴は、このロールプレイングやワークで
    分かったつもり、できたつもりになることです。

    実際に管理者研修などでは“傾聴”は外せません。
    しかし、傾聴を身に付けることは容易ではありません。

    ロールプレイングやワークで行なうのは、
    その真似事でしかありません。

    実際に身に付けるには
    “理屈”と“想い”と“経験”が必要です。

    特に“想い”のない傾聴は、ただ話を聞くだけで、
    相手との信頼関係を築くことはできません。

    “理屈”(手法)だけに頼っても、
    初めは良いかもしれませんが、
    結果的に本当のコミュニケーションは取れないのです。

    「分かったつもり、出来たつもりになる」

    それが第一の落とし穴です。



    次に、理屈が分かってくると、
    人は“あるべき姿”をイメージするようになります。

    「コミュニケーションとはこうあるべきだ!!」
    と言うやつです。

    それを、自分に描くだけなら大きな問題にはなりません。
    自らの現状とのギャップを改善目標にすればよいわけです。

    しかし、それを同僚、上司、部下と他人に描くとどうなるでしょう?

    当然そこには現状とあるべき姿にギャップがあります。
    完璧な人などいません。ほとんどの人は「出来ていない」わけです。

    特に普段からあまりコミュニケーションがよくない人や組織に対しては、
    そのギャップはとても大きなものになります。

    そうなると、ますます嫌いになったり、
    厳しく接するようになってしまいます。


    これが第2の落とし穴です。

    コミュニケーションの理屈を理解するだけでは
    他人に厳しくなる人が必ず出てきます。


    ですから、ロールプレイングやワークでは
    その難しさを実践で体験することが重要なのです。

    その難しさを知ることで
    自分にも人にも寛容になれるのです。


    そして、個人と組織の成長イメージを共有し、
    歩んでいくことが重要なのです。


    今まで、私が受けたご相談の多くは、
    この第2の落とし穴に落ちていました。

    これは真面目な人ほどこの傾向が強く、
    「こうあるべき」と、自分にも厳しく、他人にも厳しくなります。

    そして、その指摘はとても正論であるが故に
    組織としてはとてもやっかいな問題になってしまいます。




    それが、第3の落とし穴になってしまいます。

    それは、「仕組みに逃げてしまう」と言うことです。




    先ほど話したように、理屈を実践するのは容易ではありません。

    「分かってはいるけど出来ない」
    と言うことがほとんどです。

    しかし、企業はそれで止まる訳にはいきません。
    そこで、多くの組織では“仕組み”を作りだします。

    『報告書』

    営業日報や作業日報、顧客カードや不良報告書・・・。

    社内にはいろいろな報告書があると思います。


    私が相談を受ける企業では、
    そのほとんどで、報告書がコミュニケーションの足を引っ張っています。


    情報を伝えたつもり、受けたつもり、共有しているつもり・・・。
    すべてあいまいな状態で、コミュニケーションの基本である相互理解など
    全くできていない状況なのです。

    それでも、毎日コピペしたような報告書に
    いくつもの捺印が並び、ファイルされています。

    溝は広がり、深まるばかりです。




    コミュニケーション研修を受けて、
    コミュニケーションが悪くなったと感じていたら、
    この3つの落とし穴にはまっていないか
    組織を振り返って見て下さい。


    第1の落とし穴

    受講者が分かったつもり、出来たつもりになっていないか。

    研修を受けて理屈は分かっても実践は容易ではありません。

    特にコミュニケーションは人との関わりです。
    理屈以上に感情(想い)が大切です。

    コミュニケーションの本質を見失っては
    決してよいコミュニケーションは取れません。



    第2の落とし穴

    コミュニケーションの理屈を理解したが故に
    他人に厳しくなっていないか。

    また、そういう人が増えていないか。


    研修を受けて、理屈通りに行なえれば、
    コミュニケーションは良くなるはずです。

    しかし、実際はそう簡単ではありません。

    それを理解し、寛容になれなければ、
    現状のギャップに対して否定的になります。



    第3の落とし穴

    仕組みに逃げていないか。

    人は急には変われませんが、仕組みは変えることができます。

    コミュニケーションが悪ければ、

    ・コミュニケーションの機会を増やせばいい。
    ・報告書をもっと詳細にすればいい。
    ・飲み会をもっと開催しよう。


    それらは、一つの手段としてはありだと思います。

    ただし、それらが問題の本質をごまかすことになってしまっては
    元も子もありません。

    表面的には良くなったように見えるかもしれませんが、
    多くの場合、組織としての競争力はとても評価できる状況ではありません。

    それは、皆さんが一番分かっているはずです。



    コミュニケーションは組織活動において
    非常に大きな影響を与えます。

    それは、仕事は人が行なっており、
    それが競争力になるからです。


    コミュニケーションを良くするには、
    理屈だけではなく、泥臭い所に足を踏み入れなければならないことは、
    皆さんが一番分かっているはずです。

    小さな積み重ねが今の状況をつくり上げています。
    お茶を濁すような研修で全てが変われれば苦労はしません。

    しかし、そこに踏み込むには覚悟が必要です。
    その覚悟の有無が一番の原因かもしれません。

    本気で取組んだところだけが
    本当に変わることが出来ます。

    だから差がつくわけですね。


    【過去の関連記事】

     

    社内コミュニケーションが良くならない理由 パート1

    社内コミュニケーションが良くならない理由 パート2

    社内コミュニケーションが良くならない理由 パート3

    社内コミュニケーションが良くならない理由 パート4

    社内コミュニケーションが良くならない理由 パート5

    社内コミュニケーションが良くならない理由 パート6

    社内コミュニケーションが良くならない理由 パート7


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